田尻税務会計事務所

令和5年度税制改正 -インボイス制度の改正点-

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令和5年度税制改正 -インボイス制度の改正点-

令和5年度税制改正 -インボイス制度の改正点-

2023/03/16

今回は令和5年度の税制改正のうちインボイス制度の改正点についてご紹介します。


小規模事業者の仕入税額控除に関する経過措置(2割特例)

免税事業者の方がインボイスを発行するためには課税事業者にならなければならず、負担が増えることが問題視されていましたが、今回の改正で売上に係る消費税の2割の負担ですむこととなりました。

この制度は令和5年10月1日~令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者から適格請求書発行事業者、又は課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になった場合に適用されます。

この制度を適用するために届出書等を提出する必要はなく、確定申告書にその旨を付記すればいいので本則課税か2割特例か有利なほうで申告することができます

簡易課税を選択している場合、第1種事業以外は2割特例のほうが有利になると考えられます。


サービス業(第5種事業)で、課税売上高が900万円(消費税90万円)、課税仕入高が300万円 (消費税30万円)の場合は下の表のようになります。

表

少額取引に係る経過措置

インボイス制度では仕入税額控除の適用するためには金額に関わらず、原則としてインボイスを保存する必要があり事務負担の増加してしまうため、一定の事業者が行う少額の取引については帳簿の保存を要件として仕入税額控除が認められます

要件としては

・基準期間における課税売上高が1億円以下の事業者v

又は

・特定期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者

が令和5年10月1日~令和11年9月30日までに行う支払い対価が1万円未満(税込)の課税仕入れについて適用されます。


返還インボイス交付義務の見直し

インボイス制度では値引きを行った場合にはその値引きについてもインボイスを発行する必要があり、売掛金の回収の際に振込手数料を売手負担にする場合にも振込手数料分を値引きとしてインボイスを発行しなければならず、事務負担の増加が懸念されていました。v

今回の改正で税込価額が1万円未満の返品や値引きについては返還インボイスを交付する必要がなくなりました


適格請求書発行事業者登録制度についての見直し

ⅰ.令和5年10月1日から登録を受ける場合の手続きの緩和

令和5年4月以降に令和5年10月1日からインボイスの登録を受けようとする事業者は3月31日までに申請書を提出できないことについて困難な事情の記載が必要でしたがその記載が不要になりました。そのため令和5年9月30日までに申請書を提出することで令和5年10月1日から登録が可能となります。


ⅱ.適格請求書発行事業者の登録期限の見直し

免税事業者が課税期間の初日から登録を受けようとする場合はその適用を受けようとする15日前の日までに申請書を提出すれば良いことになりました。

 

ⅲ.課税期間の中途から登録を受ける場合の見直し

免税事業者が令和5年10月1日以後に登録を受けようとする場合は、その提出する日から15日を経過する日以後の日を登録希望日として記載することとなりました。

 

ⅳ.適格請求書発行事業者の登録の取り消し期限の見直し

適格請求書発行事業者が登録の取消しをする場合には、取り消そうとする課税期間の初日から15日前の日までに届出書を提出することとなりました。

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